変分原理から反射の法則を導く
変分原理を使って屈折の法則を示す問題はたくさんあるので、反射の法則も示せるのではないかと思い、やってみたら結構簡単にできたのでメモ。
proof
平面上、$y=0$の位置に鏡を置くことにする。始点$(x_0,y_0)$から終点$(x_1,y_1)$まで、光が移動するとき、鏡上の点$(x,0)$を必ず通るとし、この$x$を求める。なお、鏡を通らない場合の光路が直線であるのは自明であるとする。
このときの光路長$L$は屈折率を1として、
\[L=\sqrt{(x-x_0)^2+{y_0}^2}+\sqrt{(x-x_1)^2+{y_1}^2} \tag{1}\]
で表される。フェルマーの原理より、光路長が最小となる経路を実際に光がとおるので、最小条件、つまりは極値条件より、変分は$\delta L=0$となる。
変分を全微分表示すると、変数は$x$だけなので、
\[\frac{\partial L}{\partial x}\delta x=0.\]
さらに$\delta x\neq 0$のため、
\[\frac{\partial L}{\partial x}=0\]
がいえる。偏微分を実行すると、
\[\frac{x-x_0}{\sqrt{(x-x_0)^2+{y_0}^2}}+\frac{x-x_1}{\sqrt{(x-x_1)^2+{y_1}^2}}=0,\]
\[\frac{x-x_0}{\sqrt{(x-x_0)^2+{y_0}^2}}-\frac{x_1-x}{\sqrt{(x-x_1)^2+{y_1}^2}}=0,\]
\[\cos\Theta_0-\cos\Theta_1=0,\]
つまり、$\Theta_0=\Theta_1.$
ただし、$\Theta$は反射点を中心にとった時の各点の鏡面からの偏角を表す。
ここで入射角$\theta_0=\frac{\pi}{2}-\Theta_0$、反射角$\theta_1=\frac{\pi}{2}-\Theta_1$を定義すると、$\theta_0=\theta_1.$