ほかの惑星の新年を思う(3)
昨日の続きです。今日が最後です。
知的生命を有する惑星の一年
さて、次の考察のために、今まで考察してきた結果をまとめると、
- 公転周期 は中心星質量 と惑星の平均軌道半径 を用いて と表される(Keplerの法則)。
- ハビタブルゾーンの距離 は、中心星光度 を用いて、 と表される。
- 中心星の質量光度関係:
- 知的生命体を有する惑星系の中心星はG型星であり、太陽質量の である。
となります。これらの条件から、知的生命を有する惑星の1年の長さがどのくらいの時間幅になるのかを計算してみましょう。(3)式と(4)式を合わせれば、 すなわち、 がわかり、これを(1)式に代入すれば、が従います。この式は中心星質量と、知的生命を有する惑星の1年の長さの関係を表す式になります。
さて、この式を用いて、知的生命を有する惑星の1年の値を具体的に求めてみましょう。この計算のためには「中心星がG型星である」という条件を使います。 にG型星の質量範囲である0.7-1.3 太陽質量という値を代入すれば、 は0.536-1.583 地球年、つまり195.5-577.7 地球日という値となります。つまり、知的生命が存在する惑星の1年は、数百地球日程度であると言えます。
未だ見ぬ知的生命はどんな体の構造をしているか見当もつかず、それゆえ彼らの生理的時間は桁で異なる可能性も捨てきれません。しかしながら、今回の考察で、彼らの「1年の長さ」は地球のそれとそんなに変わらないということが分かりました。おそらく、彼らの文明においても、社会的時間周期として「1年の長さ」が重要であるはずですから、彼らと人類で共有しやすい時間感覚なのではないかと思います。
今回の記事は「地球に似た惑星であれば1年の長さも似ている」というごく当たり前の事実を確認しただけですが、どのくらい似ているのかというのは重要な問題です。きっとこの結果は500年後くらいには使えるかもしれないので、皆さんも覚えておくといいかもですね。